- - 御誂え(お仕立て)と既製品(お仕立て上がり)の違いは何ですか?
- 既製品ですと、きものに身体を合わせる、つまり体に無理を強いられたり補正が必要になるなど、着付けも難しく、着ていても着崩れがおき易かったり、着づらかったり、最初のきものを既製品にしてしまうと、勇気を持って挑戦したきものをそれ以降着るのが億劫になったり敬遠してしまうなど、逆に遠ざかってしまうことも多く御座います。
また、仕立て直しをするにしても、予想外に費用がかかるため、仕立てた方が安価に気に入った物を手に入れることが出来た、などということも御座います。
お仕立てですと、きものを身体に合わせるので、着付けもし易く、着ていても快適なきものライフを送ることが出来ます。
着易さに関しては、羽織った瞬間に違いを体感して頂けることと思います。
- - 紋付の一つ紋、三つ紋、五つ紋の違いは何ですか?
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紋の数は格式を表します。正式な礼装では五つ紋、略式などでは一つ紋や三つ紋になります。五つ紋は主賓格を意味しますので親族の冠婚葬祭の黒留袖や喪服着用時以外では基本的に出番は少なく、知人友人やあまり縁が近くない親族として参列する際に五つ紋を付けるというのは失礼に当たります。
最近では一つ紋が広く親しまれております。
- - きものはどのくらいの頻度でクリーニングに頼んだ方が良いでしょうか?また、どこまで自分で汚れを落とすものなのでしょうか?
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普段汚れに関しましては、あまり神経質になり過ぎず、目立つ汚れをつけてしまったなど、余程のことがない限りは複数回に一度を目安に、1シーズンに一度程度のご着用であれば5年に一度を目安に、また当面着用する機会がない場合は保管前に頼まれると良いかと思われます。
但し、裏地なども含めて確認し、目立つ汚れをつけてしまった場合などは、ご自身で汚れを落とすことは基本的になさらずに、出来るだけ早く頼まれることをお勧め致します。
応急処置の範囲内で行われるのであれば、乾いた布で軽く叩く程度で済ませ、ベンジンや水をつけたり、こすったりされるのはお避けください。
また和装では洋装と違い、クリーニングではなく悉皆にご依頼されることをお勧め致します。詳細は悉皆についてのページをご覧頂くか、お問い合わせください。
- - シチュエーションに合わせたスタンダードなきものと帯のコーディネートについて教えて下さい。
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きものと帯以外にもお足元や帯締め、帯揚げなどのコーディネートも存在します。昨今はそこまで厳格に決まりを意識される方は多くありませんが、ご参考までに正式なシチュエーション毎のコーディネートについて、表に纏めておりますのでご参照ください。
- - きものを着ている時の食事(特に麺類など)の食べ方が分かりません。コツなどがあれば教えて下さい。
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ハンカチと和装での食事用クリップなどを使われることで、大きな汁はねを気にされることなくお食事をお楽しみ頂けます。
また、周りの方やお店で汚されることも非常に多く、汚されることが皆無ということは有り得ないので、開き直って悉皆やクリーニングに出されるというのも選択肢の一つです。
- - きものを着るのに最低限必要なものと、それらを揃えるのにどのくらいの予算が必要か教えて下さい。
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TPOにもよりますが、何でも良いからきもので出掛けてみたいという場合には、既製品のきものを中心に帯(半幅)、長襦袢、肌着、足袋、草履、腰紐、その他小物などの一揃えを当店では16,800円から揃えて頂くことが出来ます。
また、反物からのお仕立ての場合でもお仕立て代込で00000円から始めて頂くことが出来ます。
- - 女性物の反物を男性が仕立ててもらうことは出来ますでしょうか?
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一般に男性用の反物は女性用と比べ、反物の数も種類も少ないため、男性の方が女性用の反物を使ってきものを仕立てることも御座います。
女性用の反物と男性用の反物では反物の幅が異なりますので、大柄な方ですと難しい場合も御座いますが、裄丈(袖丈)を調節したり、「はぎ」と言って別の布を足すなどの工夫で女性用の反物で粋な着こなしをされる方もいらっしゃいます。
また、礼装は「広く長く」が基本ですが、普段着では昔から、動き易いように寸足らず気味で仕立てることが多いため、小柄な方の普段着であれば、そのまま仕立てさせて頂くことも御座います。
逆に、女性が男性用の渋い反物を使ってきものをお仕立てになることも御座います。色々とご要望やご状況をご相談頂ければ幅広くご提案させて頂きますので、是非一度ご相談ください。
- - 八寸名古屋帯と九寸名古屋帯は何が違うのでしょうか?
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「八寸」「九寸」の名の通り、お仕立て前の状態の帯地の幅が異なります。仕立て上がればどちらも同じ八寸幅の帯ですが、八寸名古屋帯は袋名古屋帯とも呼ばれ、端をかがり縫いするのみで芯地は入れず、普段着のきものに合わせる帯として用いられます。九寸名古屋帯は芯地を入れて両端を縫い込み、八寸に仕立てるもので、略礼装のきものに合わせる帯として用いられます。
用途の詳細に関しましては、上記の表をご参照ください。
- - 正絹のきものと化繊のきものそれぞれのメリットとデメリットを教えて下さい。
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正絹は化繊に比べ、洗えないこと、手入れが必要であることで、気軽に洗えて手入れも必要ないファストファッションに慣れた現代では敬遠されがちですが、良い点として重量が軽く、夏は涼しく冬は暖かい素材で、手入れをしていれば長くご愛用頂けることが挙げられます。経年変化でより柔らかく金色の光沢を帯びていくので、三代先が最も美しく、また着心地も良くなるため、昔は子、孫のことを思って織っていたと言われております。
化繊は正絹に比べ、比較的気軽に洗うことが出来、手入れもあまり必要ないことが利点ですが、生地が滑るので椅子などの座面で滑る、着崩れ易い、着づらいなどの難点や、また静電気が起き易いため、ほこりを巻き込み汚れやすく、裾が絡まり捌きづらいなどが多く言われております。
- - ドレスコードがあるレストランに和服で行く場合、どのようなものを着ていけば良いでしょうか?
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現代では一般的に和装自体の格式が上がっておりますので、式などではなくお食事に出掛けられるだけであれば、浴衣や下駄を除き、折り目正しくきものを着て帯を締め、足袋を履いていればどのような和装でも受け入れられます。
但し、格式の高い料亭などは例外で、そういったところに出掛けられる場合は染めの小紋をお勧め致します。
- - きものに臭いがついてしまいました。すぐに臭いをとりたいのですが、良い方法があれば教えて下さい。
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すぐに臭いをとりたい、ということであれば悉皆に出されるのが最良です。正絹に水分は厳禁ですので、消臭剤や芳香剤をかけるのは避けて下さい。
お急ぎでない場合は、吊るしてきものについた湿気やほこりをとった後、当店でお取り扱いしております特殊なきものまくらやシートなどをお使い頂いて畳んでから保管されることをお勧め致します。 通常のきものまくらですと、変に畳みじわが入ることがあり、注意が必要ですのでお気をつけ下さい。